「なんだか疲れたみたい……」「来週は用事があるけどその間、どうする?」。

介護は、同居・別居に関係なく精神的・体力的にもパワーを消費するものです。

介護する家族側が「短期でいいから、ショートステイを利用してほしい」と考えるのは無理もありません。

私も、認知症の初期症状が出ている祖母と生活していますが、「1日でもいいからショートステイを利用してほしい」と強く思った経験があります。

介護する側とされる側が物理的に距離を取るのって本当に大事なことです!

今回は、実際に血管性認知症+片麻痺と診断されている私の祖母のケースを紹介します。

ご家族の介護やこれからの生活スタイルについて、悩んでいる人はぜひ参考にしてください。

ショートステイとは

ショートステイ(短期入所生活介護)とは、介護する家族のリフレッシュや冠婚葬祭、仕事などを理由に介護するのが難しい場合などに利用できるサービスのことです。

他にも、以下の特徴があります。

  • 要介護や要支援が必要な方が利用可能(介護保険を利用)
  • 施設によっては、自立して生活できる方も利用できる
  • 最大連続して30日まで利用できる
  • 介護者のやむを得ない理由の場合は、ロングショートステイを利用することも可能
    ※ケアマネージャーが書類を申請するなどの手続きを行う必要あり

私の祖母の場合は、私自身が妊娠・出産があったので、それを理由にロングショートステイを利用してもらいました。

産前産後は介護は難しいということで、2ヶ月ほど行ってもらいました。

他にも、介護施設に入る前の練習で入ったり、退院後に一時的に過ごしたりするといった利用方法もできるみたいですよ。

私の祖母も一度リハビリの病院から退院する際に、同居予定の祖母の自宅が増築したばかりで片づけが追いついていないということで悩んでいたら、介護の仕事をしている友人から、ショートステイを利用してみたらとアドバイスされたことがありました。

実際は、祖母の認知機能面での症状が強く出ていたので、あまり環境を変えるのは良くないのではと家族内で話し合い、退院後は直接自宅で暮らすことになりました!

ショートステイを嫌がる・拒否される理由

ショートステイを勧めても、「行ってみようかな」と快く興味を持ってくれる方ってほぼいないんじゃないでしょうか。

大半の方が利用するのを嫌がったり、拒否したりするのかなと思います。

ショートステイをなぜ嫌がるのか、その理由を紹介します。

漠然とした不安がある

ショートステイやお泊まりといった言葉は、ときに高齢者は敏感になることもあるみたいです。

強く嫌がったり拒否したりするのは、行ったことがない場所に行く不安やもう自宅に帰って来れないのではといった恐怖の気持ちが隠れているのかもしれません。

私の家の場合も祖母に「ショートステイに行ってみたら」と言っても「嫌だ」「家が一番」と何度も拒否されたことがあります。

産前産後も、もともとは行きたくないということで「自分の部屋にいるから放っておいてくれればいい」とまで言われました。

そんなことを言うくらい、ショートステイは行きたくない場所みたいです。

体験で1日行ってみると、風邪をひいていたこともあって、1人でほぼ過ごしたとのこと。

「もう二度といきたくない」「帰ることしか考えてなかった」と、次回の利用拒否がすごかったです。

ショートステイを利用したいと思ってもらう方法

ショートステイにどうすれば良い印象を持ってもらえるか、いろいろと言い方を試そうとしても実際に本人を目の前にすると面倒なのが本音です。

ショートステイの魅力を伝えてみる

「旅館みたいにきれいなところらしいよ」「ごはんが美味しいって」など、ショートステイ先の施設の情報をやんわりと与えるのも効果的のような気がします。

ただ、これは人によるところが大きいかもしれません・・・。

祖母の場合は何事も後ろ向きなので、「そんなところには行かない」「私はいらないものだから」と何かと理由をつけていたので体験するまでの道のりはかなり長かったです。

半年はかかりました。

家族がリフレッシュしたいことを伝える

正直に、「少し気分転換したい」というもいいかもしれません。

ただ、そうなると「買い物行ってきたら。留守番しとくから。」とか言われる可能性も。

物理的に距離を取りたくてもそううまくはいかないものなんですよね。

困ったら、担当のケアマネさんに何か良い方法はないか、相談するといいかもしれません。

ショートステイを嫌がるときは無理強いはNG!周りに相談するのもアリ

ショートステイは介護する側がリフレッシュしたり、何らかの理由で利用したりできるサービスです。

介護される側は利用を拒否することの方が多いですが、諦めずに利用してくれるにはどうすればいいのか、あれこれ方法を試してみるといいでしょう。