認知症の祖母と暮らす中で、人間というのは本当に不思議だなと思うことがけっこうあります。

というのも、自分にとって嫌なことがあると物忘れが激しくなるというのが、ここ最近、気付いたんですよね。

今回は、認知症の初期段階と診断されている私の祖母(要介護2)の症状について書いていきます。

最近調子が良くなったねと話していたその日の夕方から変化が

入退院の生活を繰り返す中で、環境の変化に身体と心が追いついていないのでしょうか、いろいろと混乱することがある祖母。

毎日のデイサービスと月2回のショートステイ。

規則的な生活を繰り返していくうちに症状も安定し、笑顔も増えてきたように感じていた矢先の出来事でした。

デイサービスに送り出した日の朝は、入浴サービスを受けるのに必要な荷物を準備し、靴まで履いて送迎スタッフの迎えを待っている状態で機嫌は問題なし。

「おばあちゃん、最近、調子が良くなってきたね」と声をかけると、嬉しそうにしていました。

日曜日は、しばらく疎遠になっていた親戚が家に来るということで、心理的なストレスがかかったようです。

その日は土曜日でしたが、夕飯の時間帯からイライラモード全開。

同居するひ孫にも、いつもにはない強い口調で注意していました。

これはおかしいなと思ったら、明日は親戚が来るという予定が。

こういう、本人にとって嫌だったりストレスだったりするイベントは認知症の症状を強めてしまっているように思えます。

当日は顔色が悪く暗い雰囲気に

親戚が家に来る当日。

祖母は顔色が悪く、なんだかどんよりとした雰囲気が漂っていました。

親戚が祖母と過ごすということで、私たち家族は、子どもを連れて外出することにしましたが、出掛けにひと言。

「嫌やね。来なくていいんだけど。」

こんな風に言われると、私としてもこのまま親戚に祖母を任せていいのか、少しだけ迷いが生じました。

私たち家族が帰宅した後は、祖母はどこか疲れ果てている様子。

症状が悪くなるくらい嫌なイベントは、無理して参加すべきじゃないなとこの日強く思いました。

認知症の祖母の希望を取り入れた生活スタイル実現に向けて

認知症と数年前に診断されている祖母は、最近、自分の状態をようやく受け入れることができたように思います。

「私は電話をかけられない、出方がわからない」「機械操作ができない」

そういう風に、自分の状態を受け入れるのは時間がかかるものですが、祖母がしっかりとそれを理解しようと努力しているのを見て祖母なりの頑張りをしみじみと感じています。

祖母がこれからどうやって生活していくか、少しでも楽しく過ごすにはどうしたらいいのか、日々、模索しながらこれからも一緒に生活できていければと思っています。

この体験談が、少しでも多くの人に役立ってくれればうれしいです。