認知症の家族と同居するときに考えたいのが、家での役割です。

認知症だから何もできないと、当事者以外は決めつけてしまうこともあります。

私も認知症の家族と同居する前は、そう思っていましたが、大きな間違いだと同居を始めて気づかされました。

認知症になったからと言って、まったく違う人になったわけではないんですよね。

このブログを読んでいる人で、これから認知症の症状がある人と一緒に暮らすことを考えているのであれば、ぜひこの記事を参考にしてもらえると嬉しいです。

認知症だから何もできないと同居人が思ってしまうのはよくない

認知症はとてもやっかいな病気です。

私も認知症の家族と同居していますが、毎日のようにそう思っています。

脳梗塞を発症してから、認知症と思われる症状が本格化してきた私の大切な家族である祖母。

「認知症だから何もさせてはだめ」とどこかで思いながら同居生活をスタートさせましたが、しばらくしてそれは大きな間違いだと気づかされました。

認知症になったとしても、昔からできていたことで今も変わらずできること、鮮明に覚えているものというのはしっかりあるんですよね。※個人差があります。

もちろん、本当に忘れてしまっていて、話の辻褄を合わせるというか、忘れていると気づかれたくない気持ちから、取り繕うこともしばしばあります!

ただ、認知症になると全くの別人になってしまい、何もかも介護が必要だというように、大きく変わってしまうことはないのかもしれません。

認知症の家族に役割を与えると必要な存在だと実感しやすい

同居がスタートしたばかりのころは、あれこれもと同居人である私や夫が率先してやっていました。

例えば、料理や洗い物、洗濯など、日常生活というか身の回りのことはすべてという感じで。

ただ、同居している祖母の顔をふと見ると、すごく悲しそうだったんです。

そのとき、気付きました。

祖母もこの家の中で何かできることを探しているんだなと。

主婦を60年以上やってきて、いきなり家事をさせてもらえなくなるというのは、本人からしても受け入れがたいものだし、腹立たしいものなんだろうなと思います。

物忘れがあるので薬の管理は同居している私の方で全てしていますが、体調が良さそうなときは洗い物をしてもらったり、洗濯物をたたんでもらったりとお願いしています。

あと、「これできる?」とイチイチ確認するのも、よくありません。

「自分は何でも介助なしでできる」「一人暮らしした方が迷惑かけないんじゃないか」と、調子が良い時は言ってくるので、その祖母の気持ちを大切にしたいなと私は思っています。

認知症の家族を思いやりながら同居することを忘れずに

認知症の人が家族にいると、自分が全て介護・介助しなきゃいけないと背負い込んでしまう人がいます。

ただ、どうも祖母を見ていると、すべて同居人がしてしまうと、認知症の家族は心の拠り所というか、自分が誰かに必要とされているんだと感じにくくなってしまうようです。

自分でやった方が本当は早く確実に済むことでも、認知症の家族にお願いして、敢えてやってもらうというのはとても大切なことです。