認知症の家族との同居は、精神的にも体力的にも大きなストレスがかかるものです。

同居している家族だからと何もかも抱え込んでしまうと、「もう限界だ」とクタクタに倒れてしまいます。

今回は、実際に軽度の認知症を発症している祖母との同居体験をもとに、あると便利だと思ったものを紹介したいと思います。

その前に、認知症高齢者との同居で辛いこと、大変なことを簡単に紹介しますね。

認知症高齢者との同居何がつらい?

「施設にはまだ入れたくない」自分の親族にお世話になった、最期まで自由な環境で過ごさせてあげたいなど、さまざまな理由からそういったすてきな思いを持たれている人は多くいます。

私の祖母は認知症の初期症状を発症していますが、小さな頃からなにかと遊びに行って可愛がってくれた思い出もあり、私もできるだけ自宅で過ごさせてあげたいと思っています。

認知症の同居は大変とよく言われますが、何が辛いかというと…。

  • 短期記憶が弱くなり何度も同じことを聞かれることへの対応
  • こだわりが強くなり自分の意思を曲げないことへの対応
  • 日によって症状に差があることへの割り切り的な部分

主には、この3つです。

認知症の程度や症状の進行具合による部分も大きいかと思いますが、初期でも対応に慣れていないと想像以上に疲れます。

私の祖母の場合は、昨日は大丈夫だったのに、今日は忘れてるみたいなのがもはや普通です。

真っ向から受け止めると疲れるからうまく流す。でも家事も完璧にすると体力がもたない。

よく言われることですが、介護は家族の中ですべて完結することはできません。

これは本当に身に染みて感じました。

「他人に任せると、おばあちゃんがかわいそうだから」という気持ちで全て家族が抱え込むと、いつか疲れ果ててしまいます。

なので、同じように認知症の高齢者の介護をしながら同居をと考えている人は、うまく外のサービスや便利アイテムにどんどん頼ったほうがいいと私は思います。

認知症の家族と同居すると、何が大変なのか。もっと知りたい人は、こちらの記事も参考にしてください。
認知機能が低下ぎみの高齢者との同居で大変なこと

認知症高齢者との同居であると便利なもの

ここからは、認知症高齢者と同居するにあたって、あると便利なものを紹介します。

①食洗機(食器洗い機)

同居する前から絶対購入しようと持っていたのが、卓上タイプの食洗機(食器洗い機)です。

どうしても、食器を手洗いすると洗剤や水を使いすぎたり、洗い残しがあったりと無駄が増えてしまいがちです。

洗い残しがあったら、そのままでは嫌ですよね。

何より、私の祖母は80代と高齢なので視力も低下しているので、自分ではきれいに洗っているつもりでも汚れが取れていないこともあります。

私の場合は6人家族なので、すべて洗いなおすとなると30分は少なくともかかりました。

認知症を発症した人と同居する際は、家の中の役割を与えることが大事ということを聞いたこともあり、洗い物の仕事は祖母から取り上げてしまってはいけないと思い、購入することに。

洗い物は、主婦歴が長い人ほど自分がやるといいやすいみたいですね。

ただ、認知症を発症すると衛生面での意識がしばしば欠けていることもあるのが現実。

同居家族のストレスを減らすためにも、食洗機の購入はおすすめしたいところです。

どれを購入するのかは、同居家族の人数によっても大きく違ってくるかと思います。

我が家は浄水器を導入しているので、食洗機の水が引けません。

なので、エディオンのプライベートブランドが販売しているものを選びました。


店頭で購入して、10万円払ったらお釣りもらえるくらいの金額でした。

キッチンの仕様は各家庭で違ってくる部分なので、給水タイプは選択肢が少なく、水を引けるものならけっこう選べるみたいですね。

②洗濯乾燥機

洗濯乾燥機は、同居開始当初は購入する予定はありませんでした。

ただ、祖母は洗濯物が溜まるのがもともと嫌、部屋干しを嫌がるということが同居開始後に分かったんです。

祖母は洗濯機を使えるかどうかも微妙…。教えてもすぐに、「私は何も分からないから」「役に立たないから」と言われるのも疲れるんですよね。

ということで、ほぼ毎日「洗濯はしたのか」「洗濯が溜まっているから洗濯機回さないと」「家の中に干してると誰もお客さんを呼べない」などと言ってくるようになりました。

認知症の症状の一つである、こだわりが強く出ているのかなと思いましたね。

家事と育児、仕事をこなしている私にとってはこれはけっこうストレスだったわけですが…。

実母に相談すると、洗濯乾燥機を購入しようとなり、購入することになったという背景があります。

結果的には、購入してもらって洗濯関係の家事は格段に効率が上がり良い結果になりました。

家電量販店のスタッフさんが言うには、洗濯乾燥機はそこまで需要がないみたいです。

店舗に在庫はなく、取り寄せでした。

洗濯機をPanasonicを利用していることもあって、専用棚と洗濯乾燥機も同じメーカーのものにしました。


掃除も楽なので、けっこうおすすめです。

③宅食(冷凍)弁当

食事作りのストレスを減らすのにおすすめなのが、宅食(冷凍)弁当です。

これは私の祖母に限らないかと思うのですが、高齢者ってけっこう食事の時間にこだわりがありますよね。

例えば、昼ご飯は絶対12時に食べないと気が済まない、夕食は18時~19時には食べておきたいなど。

我が家の場合は、未就学児の子ども3人がいるので、毎日スケジュールどおりに動けるわけではないんです。

なので、当然、ご飯が遅くなって食べ始めが19時半とかのときもあります。

そうなると、祖母の機嫌が悪くなったり、何度も自室からキッチンを覗いて用意ができてなければまた無言で戻ったりと同居家族のストレスがまぁ満載になります。

宅食弁当は、そこらへんの問題をうまく解決してくれるので常備しています。

宅食弁当については、こちらの記事でも紹介しています。ぜひ参考にしてください。
高齢者も食べやすく美味しい冷凍弁当(宅食・惣菜)を比較してみた

④卓上カレンダー

今日の日にちや予定の把握など、難しい場合は卓上カレンダーがあると便利かもしれません。

私の祖母の場合は、カレンダーに毎日「×」をつけて今日は何月何日か把握する用で使っています。


お薬カレンダーも、服薬がある認知症家族にはおすすめです。


詳しくは、こちらの記事で紹介していますので、参考にしてください。
まだら認知症の祖母と同居ときに試したい薬の管理方法

認知症の家族との同居はうまく便利グッズを活用するのがおすすめ

認知症の家族と同居する際は、全部家族内で解決しようとすると疲れてしまうのがうちです。

頼れるものには積極的に頼ることで、精神的・肉体的な余裕が生まれ、心にゆとりが生まれます。

同居はできるだけ無理をしない形でスタートしたいと考える人は、ぜひ参考にしてくださいね。